本日は定期演奏会のリハ二日目でした。
演目がまたすごく贅沢でですね
まず1曲目はウェーベルンが編曲を施したJ.S.バッハ作曲の「リチェルカーレ」。
続いてR.シュトラウスが書いたオペラ「ばらの騎士」より「ワルツ」。
そして前半最後の曲には、ここ最近大変な人気を誇るオーストリアの作曲家、E.W.コルンゴルトの「ヴァイオリン協奏曲」を、当団客演首席コンサートマスターの荒井英治さんをソリストにお迎えして。
前半、これだけの大編成で演奏して後半はブルックナーでもやらないとバランス取れないんじゃないの?
と思われるかも知れませんが、ここは交響曲の中で名作中の名作、モーツァルトの交響曲41番「ジュピター」をメインに。納得です。
twitterをフォローして下さっている方はお読み下さった方もいらっしゃるかと思いますが
NHK交響楽団のオーボエスト・茂木さんが先日のハイドンの記事を読んで下さり
その流れで、twitter上で和音の配置について色々と談義させて頂く機会がありました。
(正直、嬉しくて鼻血が出そうでした。笑)
その中で、とっても驚いたことが1つ。
モーツァルトやベートーヴェンの交響曲の中に出てくるベースの形が
コントラバス→チェロ→ヴィオラの2オクターヴに渡って現れるということ。
こちらをご覧下さい。
「メヌエットにしては早すぎるテンポ」と、高関さんが解説されているのをいつぞや実家のTVで見たのをよく覚えていますが
そう、こちらはジュピターの三楽章、冒頭のスコアです。
こちらですが、先程申し上げた通りVla.Vc.Cb.が2オクターヴに渡ってベースラインを演奏しています。
大変興味深いのは、ベースと同じパートなのに、Vla.が内声をいとも容易く飛び越えて、メロディの音域に達していることです。
ここの小節を大譜表(ピアノ譜)に直すと
こうなります。
便宜上、とんでもない棒の伸び方してますが(笑)ご覧の通りVla.の音域がメロディであるVln.と全く同じ音域に達しているのがお分かりになりますか?
これは、例えば僕が楽譜を書く上ではイメージの中に存在しない音の配置です。
でも、今日もリハ中にそれを気にして聴きながらホルンを吹いていたのですが
何の違和感もなく、あるとしたら自分のCが低かったことぐらいしか気になりませんでした。笑
フィナーレの楽譜も同じように書かれています。
※弦楽器のみ大譜表にまとめてあります
これまた見辛くて恐縮ですが、完全にVla.がVln.Iの音域に到達していますよね。
ですが、やはりこれも大変自然に聴こえました。
不自然だったのは自分のGの音程が(以下略
しかし、ここで1つこの現象に対して「あ、そっか」と合点のいくことを発見いたしました。
それは、「Vla.Vc.Cb.」は「Tp.s Timp.」とほぼ同じことを同じ音域でしているということ。
例えば先程私が書いたメヌエットの楽譜にも「Vla.Vc.Cb.(Tp.Timp.)」と書きましたが
メヌエット冒頭なんて両者全く同じ音域。
トランペットがやってる音域ならまぁ確かに不自然ではないなぁと納得しました。
ちなみに茂木さんから「エロイカ1楽章のコーダに、Vla.が大変な音域でベースラインと同じことを弾いている」ということをお教え頂いたのですが、それがこちら。
Vla.なんとhigh-Esまで行ってます。笑
この「ヴィオラがすごい音域でベースライン弾いているけどなぜか超自然」という現象、研究してみたいと思います!
まずはスコアの読み込みからだぁー!!(アレンジに追われているのに眠くて少し壊れてます)
と言うわけで皆様、明後日10/25(木)の19:00に、シンフォニーホールでお会いしましょう(o^^o)
〜本日の名言〜
「多くのことをなす近道は、
一度にひとつのことだけをすることだ。」
W.A.モーツァルト