今日のリハーサル終了後に、自作の音楽劇の初合わせをいたしました。
脚本、編曲、作曲(と言ってもブリッジやBGM等一部分ですが)、出演(と言っても登場人物のうちの一人ですが)全て三村総撤。
センチュリーのヴァイオリンの方から依頼を受けて作成したのがおよそ3年前。
タイトルは「たろうくんの冒険」。笑
依頼内容はもっとシンプルなものでしたが、自分の創作欲がうずいて、全部やらせてーってお願いして作らせて頂きました。
その時は初めての試みだったので、手探りで作成、お披露目だったのですが、やはり色々と課題は残りました。
そして今回、その経験を踏まえて手を加えてリアレンジしたものを12/2(日)に上演いたします。(詳しくはまた改めて)
そして今日、合わせをする中でさらに台本に手を加えていったのですが、どうやら僕が書いていたのは「台本」ではなく、純粋な「本」だったようです。
台本は、ナレーション、登場人物のセリフ、登場人物の仕草や表情の指定が書いてあり
その通りに各々が読み上げ、演技をすると、ストーリーが完成する仕組みになっています。
ところが、僕はそのナレーション、つまり風景や状況の描写を事細かに書きすぎていたのです。
例えば、このように。
ある小学校での休み時間のことです。A君とB君とC君の三人が、味噌汁の出汁について話していました。
A「やっぱり味噌汁には蟹でとった出汁が一番だよなぁ。」
とA君が言うと、B君はすかさずこう答えました。
B「いや、ここは海老の出汁が一番であると言っておこうではないか。なぁ?C君。」
質問を振られたC君は、得意げにこう答えました。
C「ふふん、僕んちはいつもベジブロスで味噌汁を作ってるんだぜ。」
その答えに、2人は思わず聞き返しまいました。
A「ベジブロス?」
B「ベジブロスってなんだい?」
…あくまでも例ですから、内容はそこまでお気になさらず。
さて、これを仮に演劇でやった場合、セリフからナレーションまで全て話すとどうなるか。
A君がB君の方を向いてセリフを言った後、通常の会話なら、B君はすぐに喋り始めることでしょう。(すかさず、なんて説明もありますし)
しかしこの台本通りだと、A君がセリフを言った後、B君はA君の方を向いたままナレーションが終わるのを待たなければなりません。
さらにC君も、B君からの質問にすぐに返答して全く問題ないのですが、この台本通りだと、C君はひたすら得意げなままにナレーションが終わるのを待たねばなりません。
まさに、C君のウルトラスーパーデラックス得意げタイムに突入するわけです。
こんな感じで僕の人生初の台本は全編書かれていたわけです。
ここで登場するのが、日本センチュリー交響楽団ヴィオラ奏者のIさん。
Iさんは僕が様々な面で大変頼りにしている方なのですが、合わせに立ち会って下さっていたのです。
そして、ディレクターよろしく、台本の中で不必要・不自然な箇所があるたびに
I「そこ、いらなくない?」
I「ここはなくてもいいよね。」
I「あー全部なくていけるわ。」
と、全てを排除していって下さいました。
合わせの中でこれを僕らは「ディレクターズカット」と呼んでいました。笑
こうして完成したのが、こんな感じ。
ある小学校での休み時間のことです。A君、B君、C君の三人が話していました。
A「やっぱり味噌汁には蟹でとった出汁が一番だよなぁ。」
B「いや、ここは海老の出汁が一番であると言っておこうではないか。なぁ?C君。」
C「ふふん、僕んちはいつもベジブロスで味噌汁を作ってるんだぜ。」
A「ベジブロス?」
B「ベジブロスってなんだい?」
うーん、スッキリ。笑
「物語を書く」ことと、「台本を書く」ことは、こんなにも違うのだなぁということを知ることができ、大変勉強になりました。
さて、この「たろうくんの冒険」ですが、12/2(日)に豊中で0歳児からの親子コンサートで上演されます(^^)
お子様のいらっしゃる方や、お子様とコンサートに行きたいなぁというお知り合いの方がいらっしゃいましたら、ぜひお知らせをお願いしたいと思います!
とは言えまだ情報が揃っておらず…
また改めてブログで告知させて頂きますね!
〜本日の名言〜
ものことを見事にやることだよ。
「もう一回それを見るためならお金だって払う」
と言われるくらい見事にね。
ウォルト・ディズニー(ミッキーマウス、ディズニーランドの生みの親)